弾き納めとお弾き初め

新しい年になりました。昨年は思う存分ピアノを弾くことができた年でしたでしょうか?仕事には「仕事納め」がありますが、ピアノの「弾き納め」はなんの曲だったか覚えていますか?そして、新年の「書初め」ならぬ「弾き初め」はもう済ませましたか?

|年末年始の練習は?

年末年始はなにかと忙しい時期ですので、学校や仕事が休みになったからといってなかなかゆっくりと楽器に向かう時間をとることは難しいですよね。

ですが、ピアノは1日弾かないと取り戻すのに3日かかる、と言われているほど弾かない時間が長くなればなるほど指が動かなく、自由な演奏から遠くなってしまう楽器です。

さて、去年一番最後にピアノを弾いたのは、いつ、何の曲だったか思い出してみましょう。思い出せなかった方、急いでピアノの蓋を開けて何か1曲弾いてみましょう!

|1年の計は・・・

その年の「初めて」は、なにかと特別な意味があるように思います。

「初夢」「書初め」「初日の出」。

今年は、ピアノで最初に弾く曲になにか想いをこめてみませんか?初めての発表会で弾いた曲、一番大好きな曲、誰かに聞かせたい曲、今一番上手になりたい曲など、初詣で神様に年始の誓いをたてるように、今年の目標を定めてみましょう。

もしかするとその曲が、あなたにとっての特別な曲になるかもしれませんよ。

|まとめ

年末年始になると、子供さんをレッスンに通わせていらっしゃる親御さんも日々の忙しさが増してしまって、気が付けば新年最初のレッスン日になっていた!なんて経験もあるのではないでしょうか。

そんなときに「今年の弾き納めしておこうか」「お弾き初めを家族みんなに聞かせて」と声をかけてあげると、うっかり2週間近く弾いていませんでした、ということも防げるかもしれません。

親戚やお友達の集まるときこそ、得意な曲をお披露目できる良いチャンスでもあります。人前で弾いて、褒めてもらった嬉しさが次の1年の頑張りに繋がることもあると思いますよ。

いっぱい失敗してますか?

失敗をするのは、誰でもどんなことでも気持ちのいいものではありません。

では、どんなことでも最初から上手に大成功!なんてことが度々起こるでしょうか?どちらかというと、失敗続きでもう嫌だ!となることのほうがきっと多いのではないでしょうか。でも失敗することはとても大切なことですし、上手になるための第一歩です。さあ、恐れずに失敗してみましょう!

|失敗する場所をつくろう

どんどん失敗しよう!と言われたから・・・と、発表会のステージで大失敗してしまっては大変です。ではレッスンの時に?でも、あんまり失敗ばかりしていると「本当に練習してきたの?」と怒られてしまうかもしれません。失敗するのは、練習する場所が一番適当でしょう。

以前、失敗が怖い生徒さんのことをお話ししたかと思いますが、本当は、自分と(もちろん失敗とも)向き合いながらこなすものが練習です。本来誰かに聞かせるものではないのですが、聞かれていることが気になる人もいるようです。

そんなときは、狭くてもいいので練習室を借りてみたり、練習中は部屋に入ってこないで!と家族と約束したりして、たくさん楽器と向き合えるときにどんどん失敗しておきましょう。

|失敗すると“いいこと”がある?

一度も失敗しないで曲が弾けるようになるというのは一見すごいことのようですが、裏を返すと、その曲でたっぷり楽しんでいないということではないのかな?と思うのです。

同じ曲を何度も繰り返すことで、お気に入りのフレーズが見つかったり、今まで出せたことのないような音色で弾けてしまったり、びっくりするようないいことに出会う確率も高くなります。失敗はダメなことではないのです。何度も同じ曲に触れるチャンスができる、と考えてみましょう。

お気に入りの服を何度も着るように、好きな場所に何度も通うように、カラオケの十八番があるように、同じ曲を何度も弾いている、それだけなのですよ。

|まとめ

実は、私も小さいころは失敗を人に聞かれることがすごく嫌でした。

弾ける曲ばかり弾いて、弾けない曲はほとんど練習しないのですが、本当に困ったのは人前で演奏するときでした。先生にいただいた発表会の曲がどうしても好きになれなかったことがあって、結局いつものようにほとんど練習しないままステージに立つことになってしまいました。もちろん演奏はボロボロ。恥ずかしくて泣くに泣けない思い出です。

好きな曲だって失敗することはあるのに、そこまでひどくならないのは何故だろう?と考えてみたのは大人になってからです。何度も弾いた曲は、失敗した後の気持ちのカバーも上手になっているんでしょうね。

失敗したところで音楽が終わってしまうわけではありません。曲の最後まで弾き切るためにも、練習の段階でいっぱいいっぱい失敗を経験しておきましょう。

ピアノの練習とスマートフォン

皆さんはスマートフォンをお持ちですか?今やスマホは年齢を問わずたくさんの人に使われていますが、夢中になりすぎると時間が上手に使えなくなったりする弊害もありますよね。「スマホばっかりやってないで、ピアノの練習もしなさい!」なんて声が今にも聞こえてきそうです(笑)
ですが、上手に使うとこれほど便利な道具はありません。是非ピアノの練習にも使ってみましょう!

|録音の機能をつかおう

楽器の練習に必要なのことのひとつに「音を客観的に聞く」というのがあります。
弾けて楽しいのはもちろんですが、やはり楽器は誰かに聴いてもらうことが前提ですので
自分の音を演奏者ではなく聴衆として聞くために、録音してみるのはひとつの方法です。
スマホなら記録媒体の用意もいらず、思い立ったらすぐに録音できるのでとても便利ですよ。
ただ注意して欲しいのは、簡易な録音ですから良い音質は望めないということ。
音の美しさではなく、苦手で無意識に遅くなったり、指が転んでしまっている部分を
発見するのに使いましょう。
練習しなければいけない箇所がはっきりするので、効率の良い練習ができますよ。

|録画の機能をつかおう

録画といっても、演奏する姿を撮影するわけではありません。
撮影してほしいのは、指です。
一人では難しいので、誰かにお願いしないといけませんが
演奏している指を真上から、真横から撮影してもらいましょう。
真上から指(手)を撮影すると、指の準備の様子を見ることができます。
スムーズに演奏している部分は手の移動が速く、
次の音の場所への準備がすぐにできていることがわかります。
横からは手首の高さを見ることができます。
不安定な演奏のときは、不自然に手首が下がっていたり、持ち上がりすぎていたりしています。
こればかりは、演奏中に確かめることは難しいですから、録画で見ることができると便利です。
言葉よりも伝わりやすいので、私はレッスンで使うこともあります。

|まとめ

音は一度出てしまうとあとは消えていくだけで、留めるためにはやはり録音や録画で残しておくことが必要です。「さっきのアレが・・・」と言われても、もう音は残ってないわけですから、説明が難しいですよね。
でも、消えてなくなってしまうことが音楽の魅力でもあります。
その日、その時、その場限りでしか出てこない演奏が素晴らしいことはよくありますし
だからこそ、生の演奏が聴けるコンサートや発表会が魅力的なのでしょう。
私がレッスンで録画・録音をするときには、ひとつ決めていることがあります。
それは、生徒さんの目の前でその日録画・録音したものを消去する、ということ。
上手な演奏ではないことは、演奏した本人が一番よくわかっているし、だからレッスンを受けて練習するのですから、いつまでもできない演奏を残しておく必要はありません。
上手に弾けるようになった曲は、いつでも弾いていて欲しいので、逆に録音して残したりはしません。
どんなに世の中が便利になっても、自分の耳で直接生楽器の音を聞くことが、やっぱり一番の贅沢だと思うのです。

自分の音は好きですか?

「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったもので、どんな分野でも「素敵!」と思われる人は、それが好きでやっているうちにその道を究めてしまった、という方は多いのではないでしょうか。素敵な服を着ている人は、いろいろなファッションを見て、着て、試すのが好きだったり、素敵な絵が描ける人は、やっぱり絵を描くのが好きだったり、歌声の素敵な人は歌うことが好きだったり。では、ピアノは?あなたは自分の演奏するピアノの音が好きですか?

|じっくりと音を聴くこと

昔、ピアノの先生に言われたことがあります。
「うーん・・・モーツァルトはもっとこう・・・可愛らしい音で弾けないかなぁ」と。
可愛らしい音!?なにそれ!??もっと具体的に!!!当時はそう思いました。
でも、先生の真意は違ったのです。自分の出した音をちゃんと聴いているの?ということだったのです。
なんでもいいからとりあえず音符の通りに弾いた音と、この音はコロコロとビー玉が転がるような感じで、
この音はドスーンと重たいものが落ちてくる感じで・・・と考えながら弾いた音はやっぱり違って聞こえます。
自分はこんな音を出したい!今出ている音はそれに近いかな??と、
まずは自分の弾いた音をじっくり何度も聴いてみましょう。
思い通りの音を出すための第一歩になると思いますよ。

|自分の音を好きになろう

たくさんの生徒さんの中には、音符も正確に読んで、運指も正しく弾けているのに
なんだか自信なさげに聞こえる演奏をする子もいます。
その子達に共通しているのは「間違えるのが怖い」とか「上手に弾けないのが嫌だから弾かない」とか、
みんな自分の出す音が嫌いだ、ということ。
それじゃ練習なんてできないじゃない(笑)と思ってしまいますが、本人達にとっては深刻です。
もしもそう思えてきたなら、1度レッスンの曲とは別に、自分の好きな曲を探しましょう。
簡単でも短くてもいいのです。1音1音をぽーんと響かせて、それをじっくり聴きながら探してみましょう。
そうすれば、お気に入りが見つかったときには、自分の出す音も少し好きになっていますよ。

|まとめ

ピアノはシンセサイザーのように様々な楽器の音は出せません。
それでも、音色というものがあって、柔らかい・重い・鋭い・軽やか・明るい・きらびやか・・・など
様々な音に変化させることはできます。
鍵盤は叩くだけで音が出ます。だからこそ、どういった音を出すのか?その音を出すためには
どこでチカラを入れて、どこでチカラを抜いて、そのスピードは?タイミングは?と
たくさんのことを考えてあげないと音色に変化はでてこないのです。
自分の音をじっくり聴きながらの練習には、とっても時間がかかります。
ゆっくり楽器の触れる時間がとれたら、ぜひ自分の音に耳を傾けてみてくださいね。

たくさんのステージを経験してみよう

「発表会は年に1回」と思っている方、いらっしゃいませんか?そんな決まりは全くありませんので、年に何回ステージに立ってもかまいません。もちろん、それには練習もついてきますので、出たければ出たいだけとはいきませんが、人前での演奏はたくさん経験すればするほど腕が上がります。気軽に踏めるステージ、と言うと語弊がありますが、聞く人も弾く人も楽しい時間を共感するようなステージならば気負わずに挑戦できるかもしれません。

|様々な場所での演奏会

発表会といえば、ステージのあるホールでお客さんは椅子に座ってじっと聞いている、というのが定番のスタイルですね。でも、楽器があればどこでもステージになるのです。ショッピングモールのフロアの一角や商店街の中、レストランやカフェ、病院や駅での演奏も実際行われています。
「芸術の秋」と言いますが、暑すぎず寒すぎない季節ですので、ホール以外の演奏会が増える季節でもあります。
いきなりそこで演奏するのは難しいでしょうが、まずは色々な演奏会に足を運んでみましょう。
ピアノじゃなくてもかまいません。そこには新しい楽しいステージが待っていますよ。

|肩の力を抜いて楽しんでみよう

演奏会を見に行ったら、どんな曲目でどんな演出でどんな衣装で演奏をしているのかな?と細かく観察してみましょう。
ディズニーの曲ならば、頭にミッキーの耳がついているかもしれません。ハロウィンコンサートならどこかにカボチャがあるかも?衣装もドレスやワンピースではないかもしれませんね。
見ている人も演奏している人も、音楽で楽しくなりましょう!というコンサートでは様々な仕掛けを用意してあることがあります。
珍しい楽器があったり、一緒に手拍子やダンスをしてみたり、聞いてくれる人がいてこそ成り立つステージを経験すると人前で演奏する、ということの感覚が変わることがあるかもしれません。

|まとめ

発表会を経験すると、人に聞かれている・見られている緊張感、期限までに弾きこなすための計画性や集中力など、色々な体験が次の曲への大きなちからになっていきます。
そして何よりも音楽の楽しさを味わえるのが、聴衆との一体感なのです。
大きな拍手を貰ったとき、「いい演奏だったよ」と感想を言ってもらったとき、自分の演奏を待ってくれている人がいたときは、音楽をやっていて本当に良かった、と感じられる瞬間です。
タウン情報誌や広告のすみ小さくのっている演奏会を見つけたら、ぜひ出かけてみてください。
ステージの楽しさを知っている演奏家とお近づきになれたら、次にステージで楽しむのはあなたの番かもしれません!

楽器の仕組みを知って音を鳴らそう

楽器には様々な種類や奏法があります。実際に演奏したことがある楽器も、演奏はしないけれどコンサートやTVで演奏を見たことがある楽器はいくつかあるのではないでしょうか。バイオリンなど「弦楽器」、トランペットやフルートなど「管楽器」、ティンパニやマリンバなど「打楽器」。楽器によって音の出る仕組みはそれぞれ違います。ではピアノは?「鍵盤楽器」という呼び方もありますが「打弦楽器」とも呼ばれているのですよ。

|鍵盤の動きと音の出る仕組み

ピアノの鍵盤を弾くときに、鍵盤の先がどこにつながっているのか見たことはありますか?
鍵盤を押すと音が鳴りますね。でも、鍵盤の真下に音の出る弦が張ってあるわけではありません。
鍵盤はアクションと呼ばれる機構につながっています。鍵盤を押す動きに連動して、フェルトでできたハンマーが弦の部分に当たり音を鳴らしているのです。
厳密にはアップライトピアノとグランドピアノとでは違った仕組みのアクションが使われていますが、演奏する
ときに意識して欲しいことは同じです。
それは、ピアノを「押して」鳴らしているのではなく、「叩いて」鳴らしているということ。
どんなにグイグイ鍵盤を押さえても強い音は鳴らないし、じわっと押さえても美しい弱い音を鳴らせるわけではないのです。

|イメージを持って鍵盤をたたいてみよう

鍵盤を叩くときに気を付けて欲しいことは、鍵盤に伝わった力がどこへ逃げているかということです。
・・・と言われるとなんだか難しいことのように聞こえてしまいますが、太鼓や木琴を叩くときのバチの動きを想像してください。バチが楽器に当たったあと、バチは楽器から離れていますよね。ドン!と叩いたバチがそのまま楽器にくっついていると音は鳴りません。
では、ピアノも鍵盤をたたいたらすぐに手を離せばいいのか?というと、それでは音が短くなってしまいますので鍵盤から指を離すわけにはいきません。
そこでピアノの奏法で大切だと言われている「脱力」になるのです。
打鍵の時の力が鍵盤からハンマーへ伝わったら、どこかへ逃がしてあげないと音は響きませんので、指の形はキープしたまま力をふっと逃がしてあげるようにします。
ただ「力を抜く」と思うのではなく、そんなイメージを持って練習してみるとうまくいくかもしれませんよ。

|まとめ

ピアノが弾けるようになってくると、強弱をつけたりアクセントやスタッカートをつけたり、様々なテクニック
を使って演奏を盛り上げることができるようになります。
せっかく演奏曲をすてきにデコレーションしてあげるのなら「先生に言われたから」「楽譜に書いてあるから」
ではなく、「ここは元気に弾きたい」「ここは内緒話をするように」と、自分の気持ちも動かしながら演奏でき
るといいと思いませんか?
自分の想いとテクニックがきちんとつながっていれば、気持ちを表現するのもスムーズになってきます。
強い音は強くたたく、弱い音は弱くたたく、だけではないピアノの音を出す仕組みを知って、色彩豊かな音を出す喜びを感じることができると、ピアノという楽器がますます大好きになりますよ。

大きく息を吸って 歌って弾いてみよう

あなたは歌を歌うときに息をしていますよね。では、ピアノを弾くときには息をしていますか?もちろん息をしなければ生きていけませんので、していない人はいないでしょう。ですが、きちんと呼吸をして歌っていますか?と言われるとどうでしょうか?管楽器や歌以外の楽器で音楽を奏でるときにも、呼吸をすることがとても大切です。今回は呼吸についてのお話です。

|どうして呼吸が大切なの?

呼吸をすることで起こるからだの変化があります。
フレーズの切れ目で息をする(息継ぎ・ブレスというものです)と、実際上半身が少し持ち上がります。すると、腕も少し持ち上がりますので自然と指が鍵盤から離れて、うまくブレスをとることができます。
息をぐっと止めるとからだに緊張がはしります。すると、集中力も生まれます。細かい作業や失敗の許されない作業をするときに、思わず息を止めてしまうのと似ています。
速いテンポの曲や急かされるようなフレーズのときには、息を止めることで集中してミスをなくすことができます。
逆に息を吐くことで、からだの力を抜くことができます。
肩のちからを抜いて脱力がうまくできると、優しい音や弱く弾く音が美しく出せるようになりますよ。

|どんな楽器も「歌う」ことができる

素晴らしい演奏を聴いたときに、「楽器がよく歌っていた」と評されるのを聞いたことはありませんか?
実は、歌えるのは人間だけではありません。どんな音楽にも「歌」はあるので、演奏する楽器が歌うことは可能なのです。
音楽の中の「歌」は、ときには「メロディ」と、ときには「フレーズ」と呼ばれることもあります。いずれも、演奏者が本当に歌っていなければ楽器は歌ってはくれません。
大きな声で歌わなくてもいいのですが、頭の中で歌っています!というのはダメです。
頭の中では呼吸をしなくても歌えてしまいますからね。

|まとめ

自分が演奏しているとき実際に声を出して歌ってみたことはありますか?うまく歌いながら弾けないときには、今まで呼吸をせずに演奏していた場合が多いようです。
では、曲の一番始めの部分で、その曲のテンポを心の中でカウントして
自分で自分に「さん、はい!」の指示を出せているでしょうか?椅子に座るなりなんの前触れも無く始まる演奏をする方は、これができてないことがあります。
ピアノはソロで演奏する楽器です。オーケストラのように指揮者がいるわけではありません。弾き始めの合図は自分で出さなければいけませんね。
歌を歌うときには、歌い出しでは大きく息を吸うでしょう?ピアノの弾き始めも同じ。
強く速く始まる曲は大きく素早い息を、ゆっくり弱い音で始まる曲では深いゆったりした息を吸ってから演奏を始めてみてください。1音目の美しさが変わってきます。
楽器を歌わせる前に、自分で歌ってみる。これだけで、聞く人の心にぐっと入り込んでいく演奏に近づけますよ。

相性の良い作曲家に出会っていますか?

以前のコラムで私がフォーレの曲が好きだ、ということを書いたかと思いますが、皆さんにはお気に入りの作曲家がいますか?その曲が弾ける・弾けないではなく、聞くだけでは物足りなくて弾いてみたいと思う、上手に弾けないけれどつい何度となく弾いてしまう、そんな曲がありますか?人に色々なタイプや相性があるように、作曲家とも相性があると思います。あなたと相性の良い作曲家は誰でしょうか。

|心にぴったり寄り添う曲を探そう

自分と相性のいい時代の作曲家を見つけるためには、幅広く色々な時代の曲を聴いてみることが必要です。
今は亡き作曲家たちも、それぞれの時代や国や文化のなかで生きて、そして曲を作っていました。
今も昔も音楽には流行がありますから、まずは様々な時代の様々な曲を耳にすることから始めてみましょう。
ただ聞き流すだけでいいので、音楽を流してみます。
何度も聞いていると、ある曲では思わず手を止めて聞き入ってしまったりある曲ではかならず席を立って何かを始めてしまったり・・・と一定のパターンができてきます。この「聞き入ってしまう」曲が、心にピタリとはまっている相性のいい曲なのです。

|聞いた曲を弾いてみよう

お気に入りの曲をみつけることができたら、次はその作曲家の作品を演奏してみましょう。いきなり大曲を弾く必要はありません。
小品からでかまわないので、実際に自分で音を響かせるのです。
弾けないことにイラッとしてしまったら、その曲との相性はさほど良くないと思ってまた他の曲を弾いてみます。
そして、一人の作曲家との相性がいいことがわかったら、今度はその作曲家と同じ時代・地域に生きた作曲家の曲を弾いてみましょう。
そうすると、相性のいい作曲家に早くたどりつけるように思います。
見つけた曲を溜めていくと、自分と相性のいい時代や作曲家がわかってきますよ。

|まとめ

私はバロック時代の作曲家との相性がよくないらしく、どんなに練習してレッスンに臨んでも
なかなか先生から合格点をいただくことができませんでした。
それが、近現代の作曲家の曲はレッスンでの進み具合もバロック時代の曲とは大違い。
なんだかスムーズに心に入り込んでくる気がするのです。
フォーレ・サティ・ドビュッシーはとても相性がよくて、つい弾きたくなってしまう曲がたくさんあります。
「好き・きらい」といってしまえばそれまでですが、好きなものが多ければ多いほど人生が楽しくなる、と思いませんか?
既にひとつ「ピアノを弾く」という人生の楽しみを持っているのですから、
それを生涯膨らませていくことができれば、幸せですよね。

どうする?初めての発表会【時間編】

春にレッスンを始めた生徒さんが、初めてステージを経験する発表会の時期がやってきます。発表会の時期は主催する楽器店や先生方によって様々ですが、私の生徒たちの発表会の時期は夏です。毎年今の時期には、初めての発表会にそわそわしたりドキドキしたりしている初々しい子供たちの姿を見ることができます。今回は発表会にまつわる時間のお話をしましょう。

|準備にかける時間はどれくらい必要?

発表会では普段よりも少し難易度の高い曲や、ステージ栄えする華やかな曲を演奏することが多いので弾きこなせるようになるまで少し時間がかかります。発表会本番の1ヶ月前には大体弾きこなせるようになっておくと、気持ちに余裕がもてるでしょう。残りの1ヶ月は最終調整(気持ちをこめて、テンポを整えて、細かいミスをなくして・・・など)に使いたいところです。
「それじゃ間に合わない!!」と慌ててしまった方もご心配なく。あくまでも1ヶ月は理想です。もうダメだ・・・とあきらめず毎日の練習を頑張ってみましょう。集中して練習できたとき、思わぬ上達をすることもありますよ。

|当日に気をつける時間のこと

本番当日、会場で受付・開場をする時間はあらかじめ先生から案内があると思います。気合を入れて1時間以上前から会場に来てくれる熱心な生徒さんがいらっしゃいますが、早すぎる到着もいいことばかりではありません。
朝からずっと緊張したまま、普段と違う服装で、会場ではゆっくり休める場所もない、となると疲れきった表情で本番を迎えなければならなくなってしまうこともあります。年齢が低いほど時間の経過は長く感じてしまいますので、小さいお子さんがステージに立つときには親御さんが気をつけてあげてほしいものです。(1日が年齢の何分の一になるかを考えると、大人と子供の時間の感覚の差がよくわかりますよ)何度かステージを経験すれば、一番落ち着いて本番に望める時間がわかるようになってきますので当日会場で楽器が触れないのであれば、15~30分くらい前の到着を目安にしておくといいですよ。

|まとめ

最近の子供達は毎日がとても忙しく、休日に発表会を予定していても他の行事と重なることが多くなってきました。ステージに立ちたい!と強く希望されて、発表会の前後に他の行事をこなす子も少なくありません。ですが、発表会で経験することは楽しい・嬉しいといったプラスのことと、緊張・失敗などのストレスになることが半々です。できることなら発表会の日には他の予定をいれず、ステージに専念させてあげて欲しい、といつも願っていますが、なかなか難しいようです。
発表会に出ると、周りが思っている以上に体も心もくたびれてしまいます。
よくがんばったね、おつかれさま、と発表会後にはしっかりねぎらってあげて欲しいと思います。

ストレス解消にピアノを弾こう!

「ストレス解消」というと何を思い浮かべますか?ドライブや旅行で気分転換、映画や趣味に没頭して現実逃避、ライブやカラオケで大声を出したり踊ったりして発散する、スポーツでいい汗を流す。どれかは皆さんも経験があるでしょう。もちろん私も全て試したことがあります。ですが普段と違うことをするには時間も費用もかかります。そこで、せっかく楽器を弾けるのであれば、ピアノを弾いてストレスを発散してみませんか?

|気持ちをふんわり解放する曲

理由ははっきりしないのにため息が出てしまう、気分が落ち込んでやる気が出てこない、そんなときはアタマを真っ白にして、音の中を漂ってみませんか?サティの「ジムノペディ第1番」や「シューマンのトロイメライ」、ドビュッシーの「月の光」はふぅっと息を吐き出すように気持ちが解放されます。久石譲の「Summer」やゴンチチの「放課後の音楽室」も気持ちよく演奏できる曲ですね。細かい決まりごとは置いておいて、自分が一番気持ちよくなれるテンポで弾くと開放感は高まりますよ。響きが美しくてテンポがゆったりした曲は、聞いても弾いても癒されるのでしょうね。

|もやもやした気分を吹き飛ばす曲

「うわーっ!!」と叫びたくなるようなもやもやした気持ち、そんな時は、フォルテでガーン!と音を鳴らすような曲を弾いてみましょう。ベートーヴェンのソナタ第8番「悲愴」の第1楽章は、開始音から重量感のある音で始まります。低音で響く音はカラダの中心を抜けてもやもやを吐き出してくれますよ。葉加瀬太郎の「情熱大陸」や→Pia-no-jaC←の「台風」、動画サイトでよく聞く「千本桜」も、ガツガツ弾いてスッキリできる曲だと思います。没頭して弾ききるような曲であれば、演奏後の爽快感を味わうことができるでしょう。

|まとめ

なかなかピアノを弾く時間が取れずにストレスが溜まってしまうこともあるでしょうが、イライラしているときは、不思議と何をするわけでもない時間が過ぎてしまうことが多いものです。そしてそのことにまた自己嫌悪してイライラする、の繰り返し。そんな時は思い切って、後回しにできるものを切り捨ててピアノの時間を作ってしまいましょう。気持ちが落ち着くと、今まで滞っていたものがスイスイ進んでしまうかもしれません。私のストレス解消曲はパット・メセニー・グループの「Letter From Home」です。学生時代にイライラから抜け出すために耳コピで書いた楽譜を引っ張り出してきてはいまだにお世話になっています。「これでスッキリ!」という1曲があると、少ない時間でピアノに触ってストレス解消ができますよ。